日々生きているということは、あたりまえのことではなくて、実は奇跡的なことのような気がします。つきつめてゆけば、今自分の心臓が、ドク、ドク、と動いていることさえそうです。
本文より
アラスカの大自然の、星野さんの、命が宿っているかのような言葉がつまった旅の記録の本です。日々をなんとなく生きているだけでは忘れてしまう、でも決して忘れてはいけない生きるヒントが自然にはたくさん宿っているのだと思いました。
自然とは、日常から離れたところにあるような、たまにレジャーで行くような存在ではなく、人間はもともとは自然の一部なのだなと思い起こされます。
自然はいつも、強さの裏に脆さを秘めています。そしてぼくが魅かれるのは、自然や生命のもつその脆さの方です。
本文より
ある限界の中で人間は生かされているのだということを、ともすると忘れがちのような気がします。
本文より
目が覚めることも、当たり前ではなく有難いことだという気づきをもらいました。
ひとつの正しい答などはじめから無いのだと……そう考えると少しホッとします。
本文より
正しい答はわからないけど、その時代の中で、より良い方向を出してゆく責任はあるのではないか
本文より
そういう意味で、私たちはいつも旅の途上にいる、と。
さらに読み進めていくと、坂本龍馬の子孫、坂本直行さんが登場します。六花亭の包装紙の可愛いお花のイラストはその坂本直行さんが描かれたもの。北海道の自然と闘い、大自然に寄り添うように生きたという坂本直行さんの絵や文章が、星野道夫さんに北の大地の自然への憧れを抱かせたのだそうです。すごい繋がり。
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