こんばんは。今日も読んで、呑んでいます。
黒牢城。ようやく読み終わりました。史実に基づいた、戦国時代の密室殺人ミステリであり、心理サスペンスであり、歴史絵巻でもある。濃厚な味わいの小説でした。
織田信長に反旗を翻した、武将の荒木村重。有岡城に籠城する彼を説得に訪れたのが、黒田宮兵衛(黒田如水)。説得に応じなかった荒木村重は、その場合使者は斬る習いであるところを曲げて、黒田宮兵衛を生かし、城の地下牢に幽閉する。
「因果が巡りますぞ」官兵衛の忠告に習うかのように起きる密室殺人や奇怪な出来事。行き詰まった村重は、その度に地下牢に降り、当代随一の頭脳とされる官兵衛に知恵を借りにいく。
小説は全四章(序章と終章を除く)から成り、四季の移ろいを表現した一章ごとに、城の行く末のターニングポイントとなる事件が起きていきます。
荒木村重の思惑。犯人たちの動機。そして官兵衛のねらいとは、何か…。
次第に明かされていくたびに、胸が締め付けられていきます。彼らは、どのような生き様・死に様に行き着いてゆくのか…。作中の四季を通して、登場人物たちと共に籠城戦の中を生活し、見届けている感覚にもなり、感情移入してしまう場面も。
彼らが行き着いた景色は、ぜひ初見で読んで体験していただきたいと思います。
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